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もしもの時、あなたのスマホはどうなりますか?家族に迷惑をかけない「デジタル終活」の始め方

by 著者名
デジタル終活

もしもの時、スマホの中の大切な写真や連絡先、ご家族は見つけられますか?シニア向けデジタル講師が、残された家族に迷惑をかけないための「デジタル終活」の始め方を、3つの簡単なステップで優しく解説します。元気な今だからこそ始めたい、未来への思いやり。

皆さま、こんにちは。シニア向けにスマートフォンの使い方などをお教えしております、木村啓子と申します。

最近、「終活」という言葉をよく耳にされるかと思います。身の回りの物を整理したり、エンディングノートを書いたり。でも、一つ、忘れがちな大切なことがあるのです。

それは、スマートフォンやパソコンの中に残された、たくさんの「デジタル遺品」の整理、**「デジタル終活」**です。

もしもの時、ご家族は、あなたのスマホのロックを解除できるでしょうか? 大切な写真や、連絡先を見つけることができるでしょうか? 有料サービスの解約は、誰が、どうやって行うのでしょうか?

残されたご家族が困ってしまわないように、元気なうちから、少しずつ準備を始めてみませんか。今日はその第一歩を、丁寧にご説明いたしますね。

なぜ今、「デジタル終活」が必要なのでしょう?

昔と違い、今の私たちの暮らしは、スマートフォンやパソコンと、切っても切れない関係にあります。

  • 大切な思い出: ご家族やご友人との写真は、今やスマホの中にあるのが当たり前になりました。
  • 大事な繋がり: 住所録も、スマホの連絡先アプリに入っています。
  • お金に関わること: ネット銀行や、月額料金を支払っているサービス(動画配信など)も、IDとパスワードが分からなければ、ご家族はどうすることもできません。

これらが整理されないままだと、ご家族は、大切な思い出を見返すこともできず、不要な料金を支払い続けることになってしまうかもしれないのです。

まずはここから。「デジタル終活」3つのステップ

「何だか難しそう…」と思われるかもしれませんが、大丈夫ですよ。一つひとつ、ゆっくり進めていきましょう。

ステップ1:情報の「見える化」をしましょう

まずは、ご自身がどんなデジタル情報を持っているか、紙に書き出してみましょう。

  • 使っている機器: スマートフォン、パソコン、タブレットなど
  • 重要なデータ: 写真、動画、連絡先、日記など、どこに保存していますか?
  • 契約しているサービス: ネット銀行、動画サービス、オンラインショッピングなど

全体を眺めてみると、「私、こんなに色々使っていたのね」と、新たな発見があるかもしれませんよ。

ステップ2:IDとパスワードを、安全な場所に記録しましょう

これが、一番大切です。スマートフォンのロック解除の暗証番号や、各種サービスのIDとパスワードを、ノートなどにまとめておきましょう。

【記録しておくべき情報の例】

  • スマートフォンのロック解除方法(PINコード、パターンなど)
  • パソコンのログインパスワード
  • Apple ID や Googleアカウントのパスワード
  • よく使うオンラインサービスのIDとパスワード

このノートは、とても大切な個人情報です。鍵のかかる引き出しなど、安全な場所に保管し、その場所をご家族の信頼できる方にだけ、伝えておきましょう。

ステップ3:ご家族と、お話する機会を持ちましょう

これが、少し照れくさいかもしれませんが、とても重要なことです。

「もしもの時、このノートを見てね」と、保管場所を伝えておくだけで、ご家族の負担は、大きく減ります。 「この写真だけは、見てほしいな」「このサービスは、解約してね」そんな風に、ご自身の希望を伝えておくのも、良いでしょう。

まとめ:元気な今だからこそ、未来への思いやりを

「デジタル終活」は、決して寂しい準備ではありません。 むしろ、ご自身が大切にしてきた思い出や繋がりを、これからも大切にしてもらうため。そして、残されるご家族への、最後の「思いやり」です。

難しく考えずに、まずはスマートフォンの中の写真を整理するところからでも、始めてみませんか。 きっと、ご自身の人生を振り返る、素敵な時間にもなるはずですよ。