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オンライン診療の始め方|シニア向けデジタル教育講師が教える安心活用術

by 木村啓子
医療シニアデジタル

通院の負担を減らしたいシニアの方へ。オンライン診療のメリットから具体的な使い方まで、デジタル教育講師が分かりやすく解説。 自宅で安心して診察を受けるための準備と注意点をご紹介します。

こんにちは。 シニア向けデジタル教育講師の木村啓子です。

「病院に行くのが億劫で、ついつい受診を後回しにしてしまう…」 「待ち時間が長くて疲れてしまう…」

そんなお悩みを抱えているシニアの皆さんはいませんか。

今日のテーマは、ご自宅から医師の診察を受けられる「オンライン診療」です。

この記事では、オンライン診療のメリットから、具体的な使い方、そしてシニアの皆さんが安心して活用するための準備と注意点まで、デジタル教育講師の視点から分かりやすく解説します。

オンライン診療 使い方 シニア向けとは

オンライン診療とは、スマートフォンやタブレット、パソコンを使い、ビデオ通話を通じて医師の診察を受けることができる新しい医療の形です。 予約から診察、会計、薬の受け取りまでを自宅で完結させることができます。

医療をぐっと身近にする新しい選択肢

「電話で話すだけ」「簡単な相談しかできない」と思われがちですが、実際にはビデオ通話で顔色や患部を見ながら、対面に近い形で診察が行われます。 また、単発の利用だけでなく、高血圧や糖尿病といった慢性疾患の定期的な受診にも活用されており、継続的な健康管理が可能です。

私たち講師の視点では、オンライン診療は「病院に行く」という身体的・時間的なハードルを取り払い、医療をぐっと身近にするための強力なツールです。 特にシニア世代にとっては、通院の付き添いが不要になる、交通費がかからない、待合室での待ち時間がない、感染症のリスクを避けられるなど、多くの利点があります。 スマートフォン一台で、かかりつけの先生と「いつでも繋がれる」という安心感を得られることが、最大の価値だと考えています。

最新トレンドと統計データ:2024-2025年のオンライン診療

かかりつけ医による普及

新型コロナウイルス禍を経て、多くのクリニックや診療所がオンライン診療を導入。 かかりつけ医から「次はオンラインにしてみましょうか」と提案されるケースが増えています。

対応疾患の拡大

当初は一部の疾患に限られていましたが、現在では多くの慢性疾患や、皮膚科、精神科など幅広い分野で活用されています。

薬の即日配送サービス

オンライン診療後、薬局と連携して当日中に薬を自宅へ届けるサービスが都市部を中心に拡大しています。

具体的な数値データ

厚生労働省の調査によると、オンライン診療を実施している医療機関の数は年々増加しており、特に内科や皮膚科での導入が進んでいます。 利用者の満足度も高く、多くの調査で「待ち時間がなくて良い」「通院の負担が減った」といった声が多数を占めています。

業界の将来予測

今後は、ウェアラブルデバイス(腕時計型の健康測定機器など)と連携し、日々の血圧や心拍数のデータを医師と共有しながら診察を行う、よりパーソナライズされたオンライン診療が普及するでしょう。 自治体や介護サービスと連携し、高齢者施設や自宅で暮らすシニアへの訪問診療をオンラインで補完するような、地域包括ケアシステムの一環としての活用が期待されます。

日本市場特有の傾向

日本では「かかりつけ医」との信頼関係を重視する傾向が強く、全く知らない医師よりも、一度でも対面で診察を受けたことのある医師によるオンライン診療を希望する人が多いです。 スマートフォンの操作に不安を持つシニアが多いため、家族によるサポートや、操作方法を分かりやすく解説するサービスの需要が高いです。

実用的な活用方法:オンライン診療を始めるステップ

具体的な使用シーン

  • 定期的な診察: 高血圧や糖尿病など、症状が安定している慢性疾患で、毎月同じ薬をもらうための定期受診。
  • 皮膚の相談: 湿疹やかぶれなど、患部をカメラで見せながら医師に相談する。
  • 軽い風邪の症状: 熱や咳など、外出が辛い時の初期相談。
  • セカンドオピニオン: 他の医師の意見を聞きたいが、遠方の病院にはなかなか行けない場合。

ステップバイステップのガイド(シニア向けの使い方)

  1. かかりつけ医に相談: まずはいつも通っている病院で「オンライン診療はやっていますか?」と聞いてみるのが一番安心です。
  2. 予約: 電話や、病院の受付で次回の予約を「オンラインで」と伝えます。 多くの場合、病院側が使い方を教えてくれます。
  3. 準備するもの: ①スマートフォン(またはタブレット)、②保険証、③(あれば)お薬手帳。 これだけです。
  4. 診察当日: 予約時間になったら、病院から指定されたアプリを開くか、かかってくる電話を待ちます。 最初は保険証を見せて本人確認をします。
  5. お会計と薬の受け取り: 診察料は後日、クレジットカードや銀行振込などで支払います。 お薬は、自宅に郵送してもらうか、近所の薬局に処方箋を送ってもらい、そこで受け取ることができます。

成功事例と失敗事例

  • 成功事例: 足が不自由で通院が大変だったCさんは、オンライン診療を使い始めてから、付き添いの家族の負担も減り、気兼ねなく毎月の診察を受けられるようになった。
  • 失敗事例: Dさんは、スマートフォンの操作に慣れておらず、予約時間になってもアプリを開けなかった。 また、通信環境が悪い場所で診察を受けようとして、途中で映像や音声が途切れてしまった。

コスト対効果の分析

  • コスト: 診察料自体は対面と大きく変わりませんが、情報通信機器の運用にかかる費用として、数百円程度が加算される場合があります。 スマートフォンの通信費は自己負担です。
  • 効果(リターン): 病院までの往復の交通費や、待ち時間、付き添いの家族の負担などを考えると、トータルのコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。 何より、自宅でリラックスして診察を受けられる安心感は大きなメリットです。

よくある質問(FAQ)

Q1: スマートフォンの操作が苦手なのですが、私にもできますか?

A1: はい、大丈夫です。 最近は、ボタン一つで繋がるような簡単なアプリが増えています。 最初はご家族に手伝ってもらいながら、一度経験すれば「案外簡単ね」と感じる方がほとんどです。 かかりつけの病院なら、丁寧に教えてくれるはずですよ。

Q2: オンラインだと、ちゃんと診てもらえるか心配です。

A2: 医師は、画面越しでも患者さんの顔色や表情、話し方をしっかり見ています。 また、聴診器を当てるなどの触診が必要な場合や、詳しい検査が必要だと判断した場合は、きちんと対面での受診を勧めてくれます。 全てオンラインで完結させようとせず、対面と上手に組み合わせることが大切です。

Q3: 薬は必ず自宅に届けてくれるのですか?

A3: 自宅への郵送か、いつも利用している近所の薬局で受け取るかを選べる場合が多いです。 薬局で受け取る場合は、薬剤師さんから直接、薬の説明を聞けるので安心です。 ご自身の都合の良い方法を選びましょう。

まとめ

オンライン診療は、シニア世代の皆さんの医療アクセスを向上させ、より快適で安心な生活を送るための強力な味方です。

通院の負担を減らし、自宅でリラックスして診察を受けられるメリットは計り知れません。

ぜひ、この記事を参考に、オンライン診療を上手に活用し、ご自身の健康を積極的に守っていきましょう。 もし、操作に不安を感じることがあれば、いつでもご家族や私たちデジタル教育講師を頼ってください。

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